「タイムアーップ!!!!! そこまで〜〜〜っっっ!!!!」 マイクを手にしたイベント司会者が、一時間に渡る実況中継の末に嗄れ果ててしまった声で、戦いの終わりを宣言する。 「第6回、チョコパフェ大食い選手権の優勝者は、なんと、最年少参加の可愛らしい坊やちゃんだ〜〜〜っっっ!!!! その成績も驚異の大会新記録! わずか1時間の制限時間内に平らげた特大チョコパフェの数、なんと23個! 並み居る強豪を押しのけて、堂々の優勝でーす!!!!」 瞬の勝利は、つい先ほどまで敵だった敗者たちの拍手で暖かく迎え入れられた。 疲労困憊しきっている瞬の身を気遣う素振りも見せず、司会者が瞬にマイクをつきつけてくる。 「瞬くん、おめでとう! 賞金100万円は、どう使うつもりなのかな〜?」 ものが大好きなチョコレート・パフェでなかったら、いくら甘党の瞬でも、ここまでの健闘はできなかったに違いない。 激烈な戦闘を終えたばかりの瞬は、半ば意識を朦朧とさせながら、しゃがれ声の司会者のインタビューに、少し恥ずかしそうに答えた。 「あの……あしなが育英募金に寄付したいんです……」 瞬ちゃん。 キミの戦いは決して無意味じゃない。 おねーさんは、いつもキミを応援しているぞ! Fin.
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