「瞬……」
氷河の囁きで、瞬は、楽園に満ちた眩しい光の中で、 ゆっくりと、 その瞳を開けた。 「氷河……」 自分を見詰めている男を見上げた瞬の瞳が、一瞬眩しげに細められる。 瞬は気付いただろうか。 今、自分のいる場所がどこなのか。 「氷河は……綺麗なままだね」 不思議そうに、瞬は首をかしげる。 「おまえも」 瞬は、自分の目に映る氷河と、氷河の瞳に映る自分の姿を見て、その言葉が嘘ではないことを確信できたらしい。 「よかった……」 6月の朝の光の中で、瞬がやわらかく微笑する。 天使が生まれた瞬間だった。 Fin.
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