孤島での生活の準備を終えて、『ご主人様、早く助けに来て』のダンスを踊り終えたメイドロボたちに、その島での最初の夜が訪れました。

砂浜に15人並んで座ったメイドロボたちは、明るくてまん丸いお月様を眺めてしんみり。

夜になると、いつも前向きなメイドロボたちもちょっと不安になってきてしまったのです。


「でも、ほんとにご主人様たちは僕たちを助けに来てくれるかしら……」
寂しがりやの6号が、お月様を見上げながらぽつりと言いました。

「元気を出して、6号! ご主人様たちを信じるんだよ」
「でも、氷河様は毎晩瞬様を食べるのに忙しいし……」

「そ…それはそうだけど……」
そう言われると、さすがの1号もちょっと不安になってきます。

「やだな、いくら氷河様でも……」
そう言いながら、10号もかなり不安です。

「15号、どう思う?」
1号は、氷河と瞬のことをいちばんよく知っている15号に尋ねました。

「うーん……」
ちょっと考え込んでから、15号曰く、
「瞬様がきっと、『15号ちゃんたちが見付かるまで、僕、そんな気になれない!』って言ってくれると思うから、氷河様は必死になって僕たちを探してくれると思うよ」

さすがは15号、だてに氷瞬家メイドロボ歴がいちばん長いわけではありません。

「あ、そっか!」
「そーだよね!」
「そーに決まったー !! 」

15号のとてもよく納得できる見解に、メイドロボたちの不安は海の彼方に吹き飛んでしまいました。
元気を取り戻したメイドロボたちは、早速、『僕たちには希望の明日が待っている』のダンスを踊って、希望の明日を待ったのです。






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