氷の国星の小人たちが控えめかどうかの判断はともかくとして、瞬は、彼等の要求を受け入れてあげたいと思いました。 「……えーと、寝心地の良いベッドと枕とパジャマとおめざだね」 「瞬様、よければ僕たちのおうちに来てもらいましょうか?」 メイドロボたちも、氷の国星の小人たちが控えめかどうかの判断はさておいて、彼等を大好きになっていましたので、その願いを叶えてあげたいと思いました。 「いいの?」 「はい。僕たちはお昼寝しないですし、僕たちのおうちは、僕たちにとってすごく住み心地がいいんです」 「あのおうちは全部、メイドロボちゃん達にいいように設計されてるものね。そうだね。メイドロボちゃんたちのベッドと枕なら、氷の国星の小人さんたちにもちょうどいい大きさだね」 「はい」 「あと、パジャマも貸してあげていい?」 「もちろんです。この前、作っていただいた新品のがあるから、それを使ってもらいます」 「ありがと。メイドロボちゃんたちは、ほんとにいい子だね。僕、嬉しいよ」 誉める方も誉められる方も幸せそのものの地球の住人たちのやりとりを、氷の国星の小人たちが羨ましそうに見詰めています。 「いいなぁ。あんなに誉められてるよ」 「何ポイント分ぐらいだろう……」 「お昼寝が終わったら、またたくさんお手伝いして誉めてもらおうよ」 「力を蓄える為にも、ぐっすりお昼寝しなくちゃね」 「常にエネルギーのことを考えてないと、宇宙遭難してしまうから気を付けなさいって、氷河も言ってたもんね」 「よし! 出せる力の限りを尽くして、お昼寝に挑もう!」 「おおー !! 」× 15 羨ましく思っても、妬んだりしないところが、氷の国星の小人たちのいいところですね。 氷の国星の小人たちは、とっても前向きで努力家。 だから、控えめな我儘もきいてあげたくなるのかもしれません。 「そうと決まれば、早速、お昼寝スタンバイだよ」 「ラジャー!」 「総員、3列縦隊へ!」 「位置について」 「よーい、どん!」 氷の国星の小人たちの行動は、相変わらず迅速です。 「隊列完成!」 「目標、メイドロボハウス」 「先導、お願いします!」 スタンバイから、隊列を整えるまで、その間、わずか7秒。 「了解しました!」× 15 びしっ★ と敬礼付きで案内を求められたメイドロボたちは、つられて敬礼を返してしまいました。 「じゃ、メイドロボちゃんたち、氷の国星の小人さんたちをよろしくお願いね」 「了解!」× 15 すっかり氷の国星の小人たちに影響されてしまったメイドロボたちは、瞬にも敬礼で答えます。 くすくす笑っている瞬に見守られながら、こうして、30人の小人たちから成る隊列は、ざっざっざっざっ★ と、メイドロボハウスへ出発していったのでした。 |