「氷河様、瞬様、ただ今戻りました〜」× 15
「お帰りなさい、メイドロボちゃんたち。ありがとう、ご苦労様」

無事に任務を完了し、瞬にお礼まで言ってもらえて、メイドロボたちはとても嬉しく誇らしい気持ちになりました。
そこに、今度は、氷河から新しい指令です。

「ああ、おまえたち、ちょうどよかった。俺はこれからグラードの研究施設に出掛けるから、留守を頼んだぞ。瞬に色目を使う押し売りや変なセールスマンが来たら、速やかに撃退するんだ」
「氷河様、お出掛けですか? はい、任せてください。瞬様は僕たちが命をかけて、必ずお守りします!」
「ん、頼んだぞ」
「はいっっ !! 」× 15

メイドロボたちの頼もしい返事に頷いて、ガレージに向かった氷河は、けれど、その3分後には、再び瞬とメイドロボたちの許に戻ってくることになりました。
それも、大慌てで。

氷の国星の小人たち用のおめざのビスケット作りにとりかかっていた瞬とメイドロボたちは、大慌てに慌てた氷河の様子にびっくりです。
「氷河、どうしたの? 何か忘れ物?」

ビスケット用の粉をふるっていた手を止めて、瞬が氷河に尋ねると、氷河はまるで、ひどい頭痛を耐えているような顔をして、首を横に振りました。
「いや、今、道路の渋滞状況を確認しようと思って、車の衛星ラジオをつけたら、とんでもないニュースが流れていた」
「とんでもないニュースって?」

「赤道直下のアフリカに大雪が降り出したらしい。数万人のアフリカ人が風邪をひいているそうだ」
「えっ !? 」

「今は夏のはずのオーストラリアに大粒の雹が降って、屋根を突き破り、家屋損傷数千戸」
「えええええっ !? 」

「アフリカやオーストラリアだけじゃない。ヨーロッパもアメリカもアジアも大寒波。世界中が異常気象だ」
「…………」

いったい、この地球に何が起こっているのでしょう。
瞬は、突然地球に降りかかってきた大災害のニュースに混乱し始めてしまいました。

「で……でも、ここは平気だよ。何も起こってない」
「どういうわけか、日本の──正確に言うと、この辺りを中心に半径50キロ圏内だけが、何も起こっていないらしい」

「…………」(←瞬の沈黙)
「…………」× 15(メイドロボたちの沈黙)



突然、地球を覆い始めたこの異常気象は、いったい何を意味するのでしょう?
そして、なぜ、氷河と瞬の住むご近所だけが平和なのでしょう?

なんだかとっても白々しい展開ですが、そんなことは気にせずに、お話は次回に続きます……。







【次回予告】