「ねえ、小人さんたち」

たれたれ氷河さんにしがみついたまま、真犯人の告白に呆然としている小人たち。
そんな小人たちに、たれたれ瞬ちゃんが優しい声で言いました。
「氷の国の氷河さんは、合体した小人さんたちと仲良くしたかったんだよ」

「そのために、涙ぐましい努力をしてきたんだ。少しは報いてやれ」
ついさっきまで小人たちに犯人扱いされていたことを責めもせずにそう告げるたれたれ氷河さんは、今はクール&セクシーではなくて、小人たちと氷の国の氷河をそっと包み込むような暖かい眼差しをしていました。


「たれたれ瞬ちゃん……。たれたれ氷河さん……」

小人たちは、たれたれ瞬ちゃんを見て、たれたれ氷河さんを見て、最後に、失意の氷の国の氷河を見詰めました。

そして、小人たちは、たとえ氷の国の氷河が殺人犯だったとしても(注:実際には誰も殺していません)、氷の国の氷河に対する自分たちの愛と信頼は決して揺らぐものではないことを感じていたのです。


「ね、小人さんたち。氷の国の氷河さんを好きなんでしょう?」
「(こっくり)」× 15

「だったら許してあげられるよね」
「(こっくり)」× 15

「氷の国の氷河は俺よりカッコいいそうだし」
「(こっくり)」× 15 ──してから、慌てて、
「ご…ごめんなさいっ !! 」× 15


小人たちの失言にも、たれたれ氷河さんとたれたれ瞬ちゃんは優しく微笑むだけでした。