愛の往復書簡

〜あったかい国から氷の国へ 6〜









合体瞬ちゃんへ


氷河に、氷の国の氷河さんの鼻の頭の話をしたら、ため息ひとつついたあと、
「言葉だけで伝えようとするからダメなんだ。視線、間合い、ボディランゲージを総動員して、再度やってみろ」
だって。

そういえばね、大分前の話なんだけど、氷河も舐めて欲しいところがあった時に、最初は、僕のこと訴えるような眼差しで見つめて、
「……瞬」
って言うんだけど、よくわからなくて途惑っていたら、今度は僕の手を取って………あるところへ持っていって、それから、なんともいえないカオで、
「さきっぽ」
って言ったんだよ。

それでね――



……氷河がここから先は言っちゃダメだって;
とにかく、氷の国の氷河さんの気持ちが合体瞬ちゃんにうまく伝わることを願ってます。


そうそう。
僕がお花畑にいるタペストリーを氷の国の氷河さんが作ってくれるんですか !?
嬉しいです。
氷河も、この件に関しては全面的に協力するって言ってます。 

「必要と思われる写真を送っておく。なお、作品完成後はうちの瞬に関するあらゆる情報は、速やかにお前の記憶から消去するように」
とも言ってました。

それで、図案も一緒に送ろうと思ったみたいで、描いていたのを見たんだけど……。
なんだか芸術的過ぎて僕にはちょっと……? だったんだけど、氷の国の氷河さんなら、芸術家なのできっとわかるんでしょうね。
出来上がるのがすごく楽しみです。


そういえば僕の氷河の瞬認識度って、『僕』『僕以外の瞬一括り』っていう認識みたい。
小人さんたちは小人さんたちとして認識してるみたいだけど、1人1人が誰っていうのはわかってないかも……。
勉強するよう言っとくね。


今日は、ネズミ形とハリネズミ形のケーキを送ります。
こういうネズミさんなら、小人さんたちも怖くないよね。



瞬より