……る。


たれたれ瞬ちゃん、おはよう!
毎度お馴染み、翌朝の合体瞬です。


えと、それで、『さきっぽ』のことですが。

僕は何のことだかよくわからなかったので、夕べ、合体瞬になる前に、僕の氷河に、
「さきっぽってなぁに?」
って聞いてみたの。
途端に氷河はふにゃ☆ って笑って、
「そりゃ、さきっぽってのは……」
と言いかけたんだけど、突然言うのをやめたんです。

それから、すごーく真剣な顔になって、
「さきっぽがどこかってことは、問題じゃないんだ」
と言いました。

そして、
「おまえたち、知っているか? 今はいろんな器具が発明されたからそんなこともないだろうが、昔、赤ちゃんの鼻が詰まったりした時に、赤ちゃんのお母さんは、赤ちゃんが窒息したりしないように、自分の口でそれを吸い取って、赤ちゃんの呼吸を楽にしてやってたんだ。自分の大切な赤ちゃんのためだから、お母さんはきっと、それを汚いなんて思いもしなかったろう。手も足も髪も目もむにゃむにゃも、みーんな可愛い赤ちゃんの一部なんだ」
って言ったの。

僕たちが「うんうん」って頷いたら、氷河もこっくり頷きました。

「俺にとっておまえ(たち)は本当に大切な大切な存在だから、赤ちゃんのお母さんとおんなじで、俺もおまえ(たち)のどこにだって、ちゅうしてやれるぞ」

氷河がそう言うから、僕たちも、
「僕だって、氷河のどこにでもゅうできるよー!!」× 15
って言って、みんなで氷河に飛びついて、ほっぺだの手だの耳だの鼻の頭だの色んなとこにちゅうしました。

15号は間違って、氷河のYシャツの中に落っこちちゃったんだよ。
慌てて救助に行ったら、15号は、
「僕、氷河のおへそにちゅうしてきた」
だって。


そんなわけで、結局、氷河は僕に『さきっぽ』がどこなのか教えてくれなかったの。
でも、僕はそれがどこでもおんなじことだと思います。
僕は、僕の氷河が大好きだから。
どこにだってちゅうできるしねvv


僕はこれから合体を解いて、たれたれ瞬ちゃんタペストリー制作のお手伝いをします。
ほんとにほんとに綺麗な刺繍だから、たれたれ瞬ちゃん、できあがるのを待っててくださいね!



たれたれ瞬ちゃんへ



氷河が元気になって幸せいっぱいの氷の国の瞬より