「いったい、何の騒ぎですか?」

不幸の予感にがんじがらめの氷の国の氷河を、テレビ局のトイレ掃除のおじさんの運命から救ってくれたのは、なんと、ミスターまりっこ その人でした。

「あああああ〜。ミスターまりっこだー!」× 15

憧れのまりっこの登場に、小人たちは大興奮です。

「ほんものだぁ……!」
「まりっこさん、まりっこさん! 僕たちみんな、まりっこさんの大ファンなの!」
「テレビは必ずビデオにとって、何回も見直すの!」
「はんどぱわーを見た後は、感動のあまり踊らずにはいられなくなるくらいなの !! 」
「はんどぱわーってホントに素晴らしいよね」

「はんどぱわーは、幸せと」
「夢と」
「希望の力!」
「僕たちはその奇跡のはんどぱわーを、僕たちの氷河にも使えるようにしてほしくて、ここにやってきました!」

今日も、小人たちのチームワークはばっちり。
打ち合わせなんかしなくても、仲間の言おうとしている言葉がわかります。
小人たちの心は、いつも一つ。
そして、小人たちの願いもまた、ただ一つ、でした。

「氷河がハンドパワーを使えるようになったら、おやつのクッキーを100倍大きくしてもらうの!」
「ショートケーキもパイもプリンもシュークリームも」
「みんなみんなおっきくしてもらうんだ」
「そうしたら、おやつの消費量が減るから、氷河が働く時間が少なくなるの」
「氷河が僕たちと遊んでくれる時間が増えるの」
「おやつもいっぱい、氷河ともいっぱい」

「僕たちも氷河も、とっても幸せになれるんだー !! 」× 15

愛とおやつとおやつとおやつとおやつに満ちた幸せの時。
それが小人たちのただ一つの願いでした。






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