「まいどー! ペルセウス特急便でーす!」 今日も、氷の国に、ペルセウス特急便のおにーさんがやってきました。 ペルセウス特急便のおにーさんは、今日は、ケーキの配達ではなくて、氷の国の氷河が死にかけながら仕上げた100畳大タペストリーの集荷にやって来たのです。 「あれ……?」 けれど、どうしたことでしょう。 いつもなら、ペルセウス特急便のトラックの音が聞こえたらすぐにお城から飛び出てくる小人たちが、今日はなかなか姿を現しません。 代わりに、ペルセウス特急便のおにーさんの耳に飛び込んできたのは、 「おわわわわわわ〜〜〜〜 !!?? 」 という、実に奇妙奇天烈な、亜麻布をひっちゃぶくような男の奇声だったのです。 「む !? まさか、可愛らしい坊やちゃんたちに何かあったのか !? 」 ペルセウス特急便のおにーさんは、慌てて、奇声の聞こえてきた氷瞬城の中庭の方へ向かいました。 そこで、ペルセウス特急便のおにーさんが見たものは。 「うわわわわわわ〜〜〜 !! 」 100畳大タペストリーに手足をとられてもがいている氷の国の氷河と、 「氷河、だいじょうぶっ !? 」 100畳大タペストリーの梱包を手伝っていた合体瞬の姿だったのです。 なぜそこに合体瞬がいたのかと言うと、100畳もの大きさのあるタペストリーを梱包しようという時に、小人たちが小人サイズのままでいると、今の氷の国の氷河のようにタペストリーに翻弄されて、タペストリー内で遭難してしまいかねないからです。 そういうわけで、小人たちは用心のために久し振りに合体してみたのですが、いかんせん、氷の国の氷河は、合体瞬を目の前にすると、動悸息切れ眩暈血圧上昇その他もろもろの症状が出て、足元ふらふら、手元もおぼつかず、あれよあれよと言う間に100畳大タペストリーに捕獲されてしまったのでした。 |