ふと気がつくと、小人たちは、氷の国の氷河の腕に抱き抱えられていました。
「あれ? 氷河、どうしてここにいるの?」

寝ぼけた声で4号が氷の国の氷河に尋ねると、氷の国の氷河は、微笑いながら言いました。
「おまえたちがいつまでも帰ってこないから、迎えに来たんだ。このまま、他人の家で眠りこけていたら、朝になって目覚めたこの家の住人が驚くだろう」

4号の仲間たちは、氷河の腕の中ですやすや眠っています。

「氷河はどーしてここがわかったの? 僕たち、時空を超えてここに来たんだよ。氷河も時空を超えられるの」
「そうだな、おまえたちがおやつを欲しがるのの何百倍も、俺はおまえたちを心配してるから」
「ふぅーん、そうなんだ……」

それは、4号には子守唄のように嬉しい言葉でした。
でも、4号は本当に疲れていたので、そのまま、再び深い眠りに落ちていったのです。


とてもとても――とても幸せな気持ちで。





追記
小人たちをクッキーでおびきよせ、製本作業をさせようと企んだにゃまけもにょさんは、翌朝目覚めて、テーブルの上に一冊だけ出来上がっている本を見て、大慌てしてしました。
にゃまけもにょさんは、小人たちが、用意しておいた30冊分の製本作業をしてくれるものとばかり思っていたのです。
その日、氷河×瞬オンリーイベントの会場には、ひーこら言いながら製本作業をするにゃまけもにょさんの姿があったのですが、もちろん、小人たちはそんなことはちっとも知らないのでした。