小人たちへのプレゼント




それは、楽しい楽しいコミケが終わり、小人たちが氷瞬城に帰ってきた、ある夜のことです。

小人たちは、イベントでいつもお隣りさんになる瞬ちゃんズから貰った本を、それはそれは熱心に読んでいました。

「小人さんたちには、いつも本を貰ってるから、僕たちの作った本もあげたいんだけど……。僕たちの本は、小人さんたちにはちょっと難しすぎるかなぁ……」
と不安そうな顔をしている瞬ちゃんズに、
「大丈夫! 僕たちはもうおとなだもん!」
と胸を叩いて、貰ってきた本です。

ちゃんと読みきって、もちろん理解もして、今度瞬ちゃんズに会った時には、
『全然難しくなんかなかったよ。とっても面白かったよ』
と言えるようになっていなければなりません。


なのに……。

「ね〜、ここできゃわ瞬ちゃんが書いてる、『今度は@@にAAして欲しいです』って、どういうイミかな?」
「この対談のみしぇ瞬ちゃんの『BBはCCしてもらう方がいい』って、どーゆーこと〜?」
「たれたれ瞬ちゃんのマンガ、たれたれ氷河さんが、『今夜は、もっとDDしてEEさせてやる』って言ってるけど、DDってどうするの〜?」

瞬ちゃんズの本は、小人たちが想像していたのの100倍も難しい本だったのです。
小人たちは、テーブルの上に広げた瞬ちゃんズの本を囲んで、大弱り。

『大丈夫、僕たちはもうおとなだもん!』
なーんて大見得を切って貰ってきた本なのに、これでは瞬ちゃんズに会わせる顔がありません。


こういう時、小人たちが頼れるのはただ一人、氷の国の氷河だけ。
小人たちは、瞬ちゃんズの本を担ぎあげて、
「よいしょ、よいしょ」
と声をかけ合いながら、氷の国の氷河の部屋に向かいました。