もちろん、氷の国の氷河が、まともなことを思いつくわけがありません。 「そう言われてみれば、そうだ。俺は小人たちのおとーさんなんかじゃないんだった」 ──という、今更ながらなことを思い出したのは、氷の国の氷河にしては立派でしたが、この場合、そもそも、その事実を忘れていたことの方が大問題です。 しかも、 「小人たちが可愛すぎるから、仕方のないことだが……」 だなんて、責任転嫁もいいところ。 それでも、氷の国の氷河は、前向きに堅く決意したのです。 「刺激だ! 刺激が必要なんだ! そして、その刺激は、俺が与えてやらなければならないんだ! よその家の氷河に、俺の小人たちが刺激を受けるようなことがあってはならんっっ !! 」 その決意はとても立派でしたが、決意の内容が完全完璧に間違っています。 『俺の瞬』じゃなくて『俺の小人たち』に刺激を与えてどうなるというのでしょう。 小人たちのおとーさんになり下がってしまった氷の国の氷河は、こんなことで、無事に“氷瞬界の氷河”として更生することができるのでしょうか。 |