辛く厳しい加害授業は終わりを告げました。 たれたれ氷河さんから特別功労賞を授与され、たれたれ瞬ちゃんお手製のクッキー・メダルと小人さん型取りチョコをもらった小人たちは、 「クッキーのメダル、もらっちゃったー!」 「僕たちのチョコだー !! 」 と、大喜びです。 小人たちが幸せなのなら、もちろん、氷の国の氷河も幸せです。 氷の国の氷瞬城には、一見、元の平和が戻ってきていました。 『でも、それじゃあ、何のための加害授業だったの?』なんて突っ込んではいけませんよ。 小人たちが幸せだということが、氷の国では何よりも大事なことなんですからね。 さて、その幸せなはずの氷の国の氷河は、たれたれ氷河さんに贈与された、究極芸術的手描き等身大合体瞬画をテーブルの上に広げて首をかしげていました。 クッキーのメダルを首からぶらさげて、『クッキー・メダルだ、嬉しいな』のダンスを踊り終えた小人たちも、その絵の周りに集まってきます。 「このステンドグラスの絵はなーに?」 「これは色覚異常を確かめるための絵だよ。健康診断の時に見るじゃない」 「そうかなぁ……?」 小人たちは、わらわらわらと氷の国の氷河によじ登り、氷の国の氷河の肩や頭の上から、その絵を見下ろしました。 「あ、これは、あれだよ! ピカソの絵を真似たんだ!」 氷の国の氷河の右肩に座っていた、お利口担当の9号が、氷の国のおやつテーブルの上に、ふいに大きな声を響かせます。 「ピカソってどんな絵本だったっけ?」 「ピカソって絵本の題名じゃなくて、マンガ家の名前だよ。こないだ、面白いマンガ見たじゃない。鼻がふたつある女の人の絵」 お利口担当の9号は、いろんなことをよく知っているのです。 「あ、あれね。ほんと、そっくりだね!」 「でも、僕たちの方がずっと上手だよね〜」 「僕たちは、綺麗なお花も描けるしね!」 「うんうんうん」× 15 プロのマンガ家よりずっと素敵な絵を描ける自分たちに、小人たちは誇らしげです。 小人たちは、氷の国の氷河の肩や頭や胸ポケットの中で、得意そうに胸を張りました。 そんな小人たちに、けれど、氷の国の氷河は思いがけないことを言ってきたのです。 「あ……いや……。たれたれ氷河は、これは、おまえたちが合体した時の肖像画だと言ってきたんだが」 「えええええ〜〜っっ !!!!???? 」× 15 得意の絶頂から、驚天動地の大山鳴動して小人15人(意味不明)。 小人たちは、ショックのあまり、全員が、氷の国の氷河からぽろぽろぽろと滑り落ちてしまいました。 |