その頃、atenasaori_ojyoの乗った自家用飛行機の中では、タコがしきりにatenasaori_ojyoを持ち上げていました。


「さすがです、お嬢様! これで、何もしないで100億円ががっぽりですね!」
「……氷の国に、そんなお金はないわ」
「は? では、小人たちを死ぬまで働かせるおつもりで?」
「辰巳! おまえは何をバカなことを言ってるの !! 可愛い小人さんたちに、そんなひどいことさせられるわけがないでしょう!」
「で……では……いったい何のために……?」

何のためにatenasaori_ojyoがあんなひどいことをしたのか――。
それは、すぐにわかりました。

atenasaori_ojyoは、星飛雄馬も真っ青になるくらいの感動の滝涙を流しながら、飛行機の中に感極まった雄叫びを響かせたのです。
「あああああっ! 私を怒鳴った9号ちゃんの可愛らしかったこと! 小人さんたちったら、あんなしょぼい男のために、大粒の涙を零して、もう可愛い、可愛い、可愛い〜〜〜っっっ !!」
「お…お嬢様……」

「100億なんて払えない小人さんたちは、もう身売りするしかないわっ! もうすぐ、小人さんたちは私だけのものになるのよーっっ !! 」
「な……なんと……」


なんということでしょう!
atenasaori_ojyoは、実は真の小人さんフリークだったのです!
atenasaori_ojyoは、自分の財力にものを言わせて、小人たちの独り占めを企んでいたのです。

小人たちは、このままatenasaori_ojyoの企み通り、atenasaori_ojyoのものになってしまうのでしょうか?
小人たちを奪われた氷の国の氷河は、ひとりぽっちで生きていくことができるのでしょうか !?


真のフリークの陰謀と借金の嵐に見舞われた氷の国はいったいどうなってしまうのでしょう――?