(究極の選択……9曲の選択……究極の洗濯……。うーん、何じゃそりゃあ、ほにゃらららら〜☆★☆) たれたれ瞬ちゃんの差し入れのカリン水で、氷の国の氷河の喉の調子は少しよくなってきましたが、アタマの方はもうすっかりダメでした。 まともなことが考えられません。 アタマの中身がくるくるぱーのでんぐりぐりぐりなのに、氷の国の氷河がサイン会の司会を続けていられるのは、ただただ小人たちへの愛のため、愛する小人たちのためになら死んでしまっても悔いはないという、悲壮な決意のためでした。 その悲壮な決意が無意識のうちに為されていることが、小人たちへの氷の国の氷河の愛が、いかに純粋なのかということを物語っています。 つまり、氷の国の氷河の愛は、理屈でも何でもなく、ほとんど本能だったのです。 理性を失って本能のみになっていたら、他にすることもありそうなものですが、氷の国の氷河の色気やその手の欲望は、すっかり彼から分離されてしまっているのでした。 本能のみに従って生きている氷の国の氷河は、第3問のことなんて考える余裕もありません。 それは、国を超え、宗教を超え、民族をも超えた小人さんフリーク220万1002人も同じことでした。 ともかく、第2問を乗り越える! 明日は明日の風邪をひく。 彼等の大移動が開始されました。 「私、信州蕎麦プリッツ、食べたことないのに、わかるはずないわ〜っっ !! 」 「信州蕎麦プリッツも食べたこともないような奴に、小人さんフリークを名乗る資格はないぜ!」 「そーだ、そーだ! 俺は信州蕎麦プリッツを手に入れるために、信州まで出向いたんだからなっ!」 「そんなことで威張らないでよ! そんなの、小人さんフリークとして当然のことだわっ !! 」 等々、叫びつつ、けれど、小人さんフリークとして自信満々の彼等も、信州蕎麦プリッツを追加注文した小人さんが何号だったのかは思い出せないのでした。 彼らに思い出せるのは、それを言い出した小人の顔のみ! そして、小人たちの顔はみんな同じなのです! 「とにかく、移動よ! 移動しなきゃ、失格になるわ!」 「一度、西館を出なきゃ、お買い物もできないしっ!」 「質問が進めば、参加人数が減っていくことを、お利口な9号ちゃんはわかっているはずよ。当然用意されている商品の数も減っているはずで、それはレア物なんだわっっ!!」 「小人さんフリークの名にかけて、絶対手に入れなくっちゃ!」 国を超え、宗教を超え、民族をも超えた小人さんフリーク220万1002人は、狂乱のうちに、小人さん商店街出店部隊に殺到。 そこに用意されている商品を見て、愕然としました。 商品の品揃えは、第一問の時と同じでしたが、全ての商品に『祝 第1回小人さんサイン会 第1問突破』のロゴが入っていたのです。 「さ……さすがは9号ちゃん…!」 「アイテム数も増やさずに、同じ商品に新たな価値を付加するとは!」 「第2問を突破すれば、『祝 第一回小人さんサイン会 第2問突破』商品が手に入るのねっ!」 「第3問も突破すれば、『祝 第一回小人さんサイン会 第3問突破』商品が、そして、最後には『祝 第一回小人さんサイン会 優勝』商品が手に入るんだっ!」 「世界に一つしかない、小人さんグッズだわ!」 「超々々レア物だ!」 「小人さんフリーク・王者の印よっ !! 」 狂乱の小人さんフリークたちの戦いへの執念は、否が応にも燃え上がります! とりあえず、国を超え、宗教を超え、民族をも超えた小人さんフリーク220万1002人は、世界でたった220万1002人だけしか手に入れられない『祝 第一回小人さんサイン会 第1問突破』のロゴ入り商品を買って、再び大移動。 その結果。 イエスの西館に入ったのは、98万2234人。 ノーの東館に入ったのは、101万328人。 西にも東にも入れずに失格になった小人さんフリーク、20万8440人。 「では、第2問の正解を発表するぞ! 第2問の正解は、これだっ! ファイヤー !! 」 「あああああああっっっ !! 」× 98万2234 「やったーっっっっ !! 」× 101万328 ついに、100万人強まで減った、国を超え、宗教を超え、民族をも超えた小人さんフリークたち! 彼等に待ち受ける究極の第3問とは、果たして !? |