ピンク : 氷の国の小人たち 1〜8号・10〜15号ちゃん
オレンジ色 : 9号ちゃん
: 氷の国の氷河
: プルーストさん 心の声



Q19 あなたは何になりたいですか?



「この前の質問で、人となりについては答えたから、無生物でいってみようか」
「無生物って生きてないもののことだよね」
「僕、クリーム絞りになりたいなぁ、あまーいクリームといつも一緒なんだ」
「でもぎゅうぎゅう絞られちゃうよ、苦しいよ」
「じゃあ泡だて器! ふわふわのメレンゲと戯れるの」
「でもぐるぐる目が回ると思うよ、くらくらするよ」
「スプーンになって、プリンやババロアに突入するのはどう?」
「でもそのあと誰の口に入るかわからないんだよ、場合によっては地獄だよ」
「デザート皿になって、毎日美味しいケーキに乗ってもらうの」
「でも乗せるだけだよ、食べられていくのを見てるだけなんで虚しいよ」
「そうだよね……」

「虚しいのはいやだから無生物はやめて生物にしようよ」
「どうせなら、夢のあるものを考えようよ」

「そうだね、じゃあ僕はお城の王様になりたいな」
「王様になってどうするの?」
「もちろんお国の為になるいい法律を作るんだよ」
「法律って?」

「まずお菓子工場の設備環境の充実」
「お菓子職人さんの待遇改善」
「お菓子の品質向上委員会の設立」
「王様ってやることがたくさんあるね」
「でもやりがいのある仕事だから苦にならないよね」
 
「……そういえば、氷河も一応『氷の国の氷瞬城』の王様なんだよね?」
「そういわれてみるとそうだったような気がするね」
「じゃあ、王様のお仕事をきちんとしてもらわなくちゃ!」
「さっそく陳情に行こう!」
「おー!」× 15

「氷河、氷河ー!」
「あのね、氷河は一国一城の主でしょ」
「だからね、よりよい国づくりに励まなくちゃいけないの」
「要望言うから、ちゃんと聞いてね」
「その1 自給自足は独立国家の第一歩。お菓子工場の建設を希望します」
「腕のいいお菓子職人さんも呼んでね」
「美味しいお菓子の為の対策委員会設立希望!」
「僕委員に立候補しまーす」
「僕も」
「あー、僕も僕もー」

「委員会メンバーと役割は後で決めることにしよう。じゃ、氷河、以上の懸案事項の対策案早期提出をお願いね」

「なんだかやる気が沸いてきちゃった」
「僕たちにできることを精一杯がんばろう」
「僕たちは僕たちのありのままでいいんだよね」
「そうだね」


(ふむ……。小人さんたちのなりたいものはお菓子委員……と。氷の国の氷河はんは?)


「ま……また新しい仕事……。早く、楽になりたい……」