ピンク : 氷の国の小人たち 1〜8号・10〜15号ちゃん
オレンジ色 : 9号ちゃん
: 氷の国の氷河
: プルーストさん 心の声



Q24 一番好きな詩人は?



「ところで、しじんってなーに?」

「読んでそのまま、詩を作る人だよ。長いお話じゃなくて、短いやつ。『しじん、菓子パン、カツ、おやつ』とかさ」
「どーして、詩人と菓子パンとカツとおやつなの? それって、どう関係があるの?」
「んー、ほんとは、『シフォン、カラメル、カニ、おみそ』だったかな。どっちにしても、詩って、そんなもんだよ。一見関係なさそうな単語を並べてるけど、実はふかーい意味があったりするんだ」

「僕、わかるなぁ……」
「えっ、10号、詩がわかるの?」
「わかるのは、詩が難しいってことだけ。やだなぁ、みんな、大事な人を忘れてるってば! 僕たちのご近所さんには、世界的に有名な詩人のみしぇ氷河さんがいるじゃない! みしぇ氷河さんの詩って、難しすぎてわかんないでしょ(*注 『蜜蜂館』さんの『氷河の寒い詩掲示板』参照のこと)」

「そう言われればそうだね。みしぇ氷河さんの詩は難しいよね」
「全然理解できないもんね」
「それだけ、高尚で難解なんだ」
「うん、高尚だよね」

「ふっ。僕はちょっとわかるけどね」
「さすが、9号ー!!」
「まあね。でも、みしぇ氷河さんみたいに有名な詩人でなかったら、もっとわかりやすくて簡単な詩を書いてる人もいるかもしれないから、も一度書庫に行って、今度は詩集を探してこよう!」
「そうだね。ついでに、氷河も探してこよう」
「おーっっ!!」× 15


◆ 禁断の書庫にて


「あれ? 氷河が白目むいて、あぶく吹いて、倒れてるけど……」

「とろとろ蜂蜜プレイで気分はふわふわ白いシーツのジャングルに今夜も嵐が待っているルール無用の攻め技に勝負ぱんつをぶちかませ……はにゃらららららら〜」

「もう、なまけ者なんだからーっっ! 氷河っ、僕たちに詩集を探してちょうだい!」
「し……刺繍……あ、それなら、なんとか……ちーくちーく」
「そのししゅうじゃないってばーっっ!」

「僕たちの氷河は、詩がわからないんだね……(ちょっとがっかり)」
「勉強させなくちゃいけないね」
「仕方ない、詩集は僕たちで探そう」
「おーっっ!!」× 15

「あ、あれ、詩集みたい」
「どれどれ?」
「あそこ! 『官能の詩人〜堀口大学』だって! きっと、かんどうのしじんが大学に入った詩だよ!」
「氷河に読ませれば、大学に入れるよ、きっと!」
「あの棚にあるのが、きっと詩集なんだね」
「氷河に、全部読ませよう!」
「賛成ー!!」× 15

「氷河ーっっ! あの棚の『詩集 風の谷の舞う鹿 』読んでー!」
「その次に、『詩集 猿の剥製 』!」
「そのあと、『詩集 ファoクトゥザフューチャー』!」
「4番目、『詩集 ぱんつぱんつレボリューション』!」
「5番目、『詩集 セーラー服と一晩中 』!」
「6番目、『詩集 国道の妻たち 』!」
「7番目、『詩集 シークレットデブ』!」
「8番目、『詩集 マゾと美獣』!」
「9番目、『詩集 13日の給料日』!」
「10番目、『詩集 学校の階段』!」
「11番目、『詩集 となりのニトロ』!」
「12番目、『詩集 アパートのガキ貸します』!」
「13番目、『詩集 老婆の休日』!」
「14番目、『詩集 2001年 鬱の旅』!」
「15番目、『詩集 オペラ座の廃人 』!」

「明日までに全部読んで、暗記してねー!!」× 15

(………………………………)(←もう何がなんだかわからなくなりかけている)


(うーん、結局、小人さんたちも氷の国の氷河はんも、みしぇ氷河さん以外の詩人は知らんってことかいな? 『あかとんぼ』の三木露風はんやら、『赤い鳥小鳥』の北原白秋はんやら、『七つの子』の野口雨情はんやら、みんな有名な詩人なんやけどなぁ……。 しかし、氷の国の氷河はん、えっちな本も読めへんのやなぁ。氷の国の氷河はんには、刺激が強すぎるんやろなぁ。ほんま、哀れや……。)