ピンク : 氷の国の小人たち 1〜8号・10〜15号ちゃん
オレンジ色 : 9号ちゃん
: 氷の国の氷河
: プルーストさん 心の声



Q26 好きな歴史上の女性は?



「Q6で、好きな歴史上の人物って聞いてるのに、どうして女の人に限定して、また聞いてくるんだろう……」
「Q6で、カメさんって答えたのが、マズかったのかな……?」
「立派なカメさんなのにね」
「でも、この質問は、要するに、英雄を探すのとおんなじだよ。スーパーヒロインの条件にあった人を探せばいいんだよ」

「スーパーヒロインの条件かぁ。何があるかな?」

「勇気!」
「強さ!」
「かっこよさ!」
「知力!」
「体力!」
「丈夫な体!」
「時の運!」
「容姿端麗!」
「財力!」
「家庭円満!」
「交通安全!」
「質実剛健!」
「優しい心!」
「必殺技!」
「変身!」

「ヒーローの条件とおんなじみたい……」
「でも、女の人の勇気と男の人の勇気は違うんだよ」
「どう違うの?」
「んー、たとえば、男の人の勇気が、(リリィちゃんとの)戦場で敵に後ろを見せずに立ち向かっていくことなら、女の人の勇気は、恋のために命をかけられるようなことだと思うんだ」

「おおおおおーっっ!!」× 14
「なんだか、すごくドラマチックだねっ」

「てことは〜。女の人の強さは、周囲の反対に負けない強さかな」
「好きな人のために我が身を犠牲にするかっこよさ」
「お料理のレシピをたくさん知ってて、好きな人をとりこにする知力」
「雨の日も風の日もデートできる丈夫な体」
「好きな人に巡り会える時の運」
「もちろん、好きな人をめろめろにするくらい容姿端麗で」
「デートの時には、おごってあげることもできるくらいの財力」
「好きな人と一緒なら、もちろん家庭円満」
「デートはドライブより、お家でいちゃいちゃ、交通安全」
「派手じゃなくて、真面目で、強くて、しっかりしてるから、浮気もしない質実剛健」
「好きな人が落ち込んでたら、慰めて撫で撫でしてあげる優しい心」
「必殺技は、『私、実家に帰らせていただきます』」
「昼は淑女、夜は娼婦に変身ーっっ!(←意味は知らない)」

「……で。そんな歴史上の女の人って、知ってる?」
「知らない……(←そもそも歴史を知らない)」
「氷の国には女の人いないしね〜」
「あ、でも、氷の森のナキウサギのナッキーおねーさんは、ちょっと、この条件に当てはまるよ」

「そういえば、キタキツネのツネ吉さんとの恋を反対されて、駆け落ちしたんだったね、ナッキーおねーさん」
「ツネ吉さんにいつ食べられちゃうかもしれない危険をものともせず、自分の恋を貫いたんだよねー!」
「家庭円満でなくなったら、ツネ吉さんのエサにされちゃうかもしれないから、色々苦労してるみたいだけど、こないだ氷の森で会った時には、『スリリングな恋って素敵よ〜』って言ってたよ。おんなじナキウサギのオスじゃ、刺激が足りないんだってさ」
「女の人って、そういうとこあるみたいだね。優しい人に守られて安穏とした生活を送るより、好きな人のために苦労する方が幸せ〜 っていうみたいな」

「でも、それって、女の人に限ったことでもないんじゃない? 僕だって、氷河のためなら、どんな苦労だって平気だもん」
「僕だって、氷河がどんな甲斐性なしでも、立派にやりくりしてみせるさ」
「僕だって、氷河が何かとんでもない失敗したって、許してあげられるよ」
「パンケーキを焦がすのは許せないけどね」
「それは、当然だよぉ〜」× 14


(えーと。結局、小人さんたちの尊敬する歴史上の女性は、氷の森のナキウサギはんでっか? 氷の国の氷河はんは……歴史にも女の人には縁がなさそうやなぁ)


「花のいのちはみじかくて 苦しきことのみ多かりき……。俺は、林 芙美子さんを尊敬してます……へろへろへ〜」
↑ 相変わらず、書庫で倒れている。


「(ぴくっ★) 氷河ーっっ! そのフミコさんって、どこの誰なのーっっ!? 僕たちが、こんなに氷河のために頑張ってるのに、他の女の人のこと考えてるなんてーっっ!!」
「氷河ったら、僕たちの苦労も知らないで! 許せないーっっ!!」

「きーっっ!(ぽかぽかぽか★)(←殴っている)」× 15


(…………氷の国の氷河はんが、林芙美子はんを尊敬する気持ちはわからんでもない。小人さんたちが誤解してるのも事実や。氷の国の氷河はんが、一生懸命で真面目なのに、ちーとも報われないのは哀れやし、気の毒や思うけど……。なんか、健気以前に、『こいつ、ただのアホちゃうか?』って気がしてきたで……)