ツリーの準備ができた頃、氷の国の氷瞬城には、クリスマス・ケーキが届けられます。
今年のケーキは、いちごとクリームがのっかった、大きなチョコレートケーキでした!

さすがにこの時期になると、ケーキ屋さんにクリスマス・ケーキは置いてありませんから、これはお店のケーキではなく、たれたれ瞬ちゃんお手製のケーキ。

氷の国の氷河は、この日のために、1年間ずっとお小遣いを貯めておくんです。
そのへそくりをたれたれ瞬ちゃんに材料費として渡して、それで、氷の国の氷河は、特製のケーキを作ってもらうのでした。

優しいたれたれ瞬ちゃんは、いつも氷の国の氷河のへそくりで買える材料の5倍分も豪華なケーキを作ってくれましたから、氷の国の氷河はいつも、心の中で滝のような涙を流しながら、たれたれ瞬ちゃんに感謝していました。








「わーい、ケーキだーっっ !!!! 」
「たれたれ瞬ちゃんのケーキ!」
「おいしいケーキ!」
「僕たちのケーキだぞーっっ !!!!!! 」

小人たちは、大きくて可愛いケーキに大歓声!
最初のうちは、ケーキの周りでダンスをするのも忘れて、うっとり見詰めているのです。

「きれーいv」
「甘い匂い〜v」
「やわらかくて、まったりした曲線がたまんないー!」
「4号ったら、グルメな人みたいー」
「へへへへへ。僕、ケーキの評論家になろうかしら」

なーんて言いながら、小人たちは、それはそれは幸せなひとときを過ごすのです。
今のうちにたっぷり可憐なケーキの姿を堪能しておかないと、なにしろ、『いただきます』を言ってしまったら、小人たちは理性が吹っ飛んでしまいますからね。






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