「しかし、これでは本当に金が足りなくなるぞ。あの子たちは、次はかすていらを食べまくるつもりらしいが……」

日頃我慢している分が、ここにきて一気に爆発した小人たちの食欲は、カミュ物理学者とミロ医学者のお財布に大打撃を与えていました。
カミュ物理学者は心配顔でしたが、幸い、ミロ医学者には、超大名案があったのです。

「ふふふふふ。やはり、日本文化に関しての知識は私の方が上らしいな。長崎にトルコライスの不思議文化を抱えた日本には、“食べ放題”という特殊文化もあるのだ!」
「食べ放題? 食べ放題とは何だ。答えろ、ミロ」
「では、特別に教えてやろう。食べ放題とは、500文ぽっきりで、店のメニューを食べたいだけ食べられるという、食欲旺盛な人間には超お得、胃の小さい人間にはまるで意味のない、スーパー画期的なシステムだ!」

「……まんまだな」
「まあな」

てな調子で漫才を続けながら、トルコライスで幸せになった小人たちを連れて、カミュ物理学者とミロ医学者は、かすていら食べ放題のお店に向かいました。
けれど、そこにはまた、新たな難問が彼等を待ち受けていたのです。







[次頁]