「恐くはないよ。僕も、多分、氷河に立ち止まることは許さない」

挑むような、瞬の瞳。
氷河は、その身体に触れる前から、歓びのために背筋がぞくぞくしていた。

氷河の望んでいた、彼の激しさをたじろぐことなく全て受け止めてくれる相手。

しかも、瞬は、それだけの“もの”ではない。
それ以上の情熱を返してくれる相手なのだ。
こんなふうに人を愛するのは、そして愛されるのも、氷河は初めてだった。

母とも師とも違う、ほんの少し油断すれば、自分の方が焼き尽くされるかもしれないほどの激しさを秘めた“恋人”。


「おまえが悲鳴をあげるほど愛してやる」

それこそが氷河の求めていたものだった。


「悲鳴をあげるのは、氷河の方かもしれないよ」

「それは楽しみだ」

氷河が、求めていたものを手に入れる喜びに瞳を輝かせる。
瞬も、それは同様だった。





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