かくして、グラード・ファイナンシャル・プランニング社財務本部には平和が戻った。

瞬は、かなり“常務”のイメージからはかけ離れている常務ではあったのだが、社員のモチベーションがあがり、業績が上がれば、文句はどこからも出てこない。
実際、瞬が常務に就任した月の決算から、グラード・ファイナンシャル・プランニング社の資産運用成績は予算比150パーセントを超え、その年の連結決算の黒字額は城戸グループ始まって以来の額になった。




後日、常務室で部長が常務をソファに押し倒しかけているシーンが某社員に目撃され、またしても、グラード・ファイナンシャル・プランニング社財務本部では大騒ぎが持ち上がるのだが、それはまた別の話である。





Fin.






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