oxymoron
〜ちえさんに捧ぐ〜
氷河が数年ぶりに出会った瞬は、以前と変わらず、哀しい小動物のような瞳をしていた。
辛い修行の果てに、アンドロメダの聖衣を手に入れ、懐かしい故国に帰ってきたというのに。
必ず聖衣を手に入れ生きて日本に帰ってくるという、兄との約束を果たしての帰国だったというのに。
――おそらくは、帰国したその国に、固い約束を交わした兄・一輝の姿を見いだせなかったが故に。
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