〜 AKITOさんに捧ぐ 〜






イラスト AKITO様





氷河がラウンジに下りていくと、そこに喧嘩の原因がいた。

“原因”は、ソファで呑気に雑誌のページを繰りながら、氷河の喧嘩の相手が現れるのを待っていた。

「瞬と出掛けるそうだな」
「待ちぼうけを食っている。どこぞのガキが駄々をこねているらしい」

“どこぞのガキ”は憤然として、瞬の兄を睨みつけた。
その言葉が図星だったからである。
自分は駄々をこねているだけなのだということが自覚できているからだった。




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