resolution

〜 ゆうかさんに捧ぐ 〜






瞬は、氷河の住む迎賓館のような佇まいのマンションの前に来ると、いつものようにその建物を見上げて溜め息をついた。

「突然一人暮らしをしたいと言い出した未成年の息子に、訳も聞かずにこんなマンションをぽんと買い与えるような親が、息子のことを気にかけているとは思えないだろう」
と、氷河は言っていた。

瞬も、その通りだと思う。


これから瞬が訪ねるのは、金は湯水のように与えてくれるが、愛情は全く注いでくれない親に失望した、気の毒な高校生の部屋だった。






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