選挙という話を聞いて喜んだのはマーマです。

「選挙と言えば、ポスターよ !! 」

ロシアのお友達と瞬ちゃんは、まず、お洋服屋さんに連れていかれました。
そこで、ロシアのお友達は純白のタキシード、瞬ちゃんはピンク色の半ズボンを着せられました。

「まあぁぁぁ。かわいぃぃぃ〜♪」
マーマは自分の見立てにとても満足して、その格好のロシアのお友達と瞬ちゃんを今度は写真屋さんへ。

「10枚くらいはお写真撮りましょうね。まずは、氷河が瞬ちゃんにお花を捧げてるとこでしょ、それから、氷河が瞬ちゃんをお姫様抱っこしてるとこ。ほっぺにちゅうしてるお写真も欲しいわね! あと、天秤宮ごっこは外せないわ〜v」
マーマは、ロシアのお友達と瞬ちゃんにいろんなポーズをとらせて、結局30枚もポスター用の写真を撮りました。


マーマはできあがってきたポスターを町中にぺたぺた貼りました。
駅の有料ポスターコーナーにも、もちろん自分のお部屋にも。
ちゅうりっぷ小学校の職員室に入っていって、菓子折りといっしょにアルビオレ先生や校長先生にも配りました。
カミュ先生の机にも、強力接着剤で貼り付けました。


選挙カーもしつらえて、マーマは拡声器で声を張りあげ、カミュ先生の理不尽と愛し合う二人の気持ちを町中の人に訴えました。


もちろん、マーマはホームページも作りました。
ロシアのお友達と瞬ちゃんの写真をふんだんに使ったサイトで、マーマの作ったサイトは、1日のアクセスが10万ヒットを超えるほどの人気サイトになりました。


いまや、ロシアのお友達と瞬ちゃんの恋の行方は、新聞やテレビにも取り上げられるほどの社会現象です。


けれど。
完璧に思われたマーマの選挙活動には、大きなミスがあったのです。

この選挙の選挙権を持っているのは、ちゅうりっぷ小学校の生徒たち。
マーマは、すっかりそれを失念していたのでした。


なんということでしょう!
日本中の人たちがロシアのお友達と瞬ちゃんの恋を応援していても、選挙権を持っている肝心のちゅうりっぷ小学校の生徒たちは、相変わらず、ロシアのお友達派とカミュ先生派とで半分半分。


選挙戦は混迷を極めていました。


投票日まであと3日!
果たして、ロシアのお友達と瞬ちゃんの恋の行方は !?
いったいどういうことになるのでしょうか !?






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