オトナへの階段。
それは、一段登るごとに鋭い痛みを伴う茨の道です。

その階段を登るのをやめることは、けれど、誰にもできません。
これまで数多くのオトナたちが登っていった階段を、ロシアのお友達もまた、登っていかなければならないのです。


その階段を登りきった時に自分が得られるものは、いったい何なのか。
それがどれほど素晴らしいものなのかに薄々気付いているロシアのお友達は、果てしなく続くオトナへの階段を――目には見えないその階段を――挑むような目をして、いつまでもいつまでも見詰め続けていたのでした。






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