微妙なお年頃! ふたりで無駄毛処理 その3




さて。

そろそろ逃げることのできないところにまでやってきました。
いよいよ、問題個所のけけけのけです。



「氷河、その毛は……!」

瞬ちゃんにその部分を凝視されて、ロシアのお友達はぎくりと全身を強張らせました。

「こ、これは……」
ロシアのお友達は、スネ毛や脇毛はともかく、ここまで抜かれてしまっては困ると思ったのです。
それはオトナの象徴、オトナの男の象徴です。
とてもとても大事なケなのです。

「こんなとこにまで……」
けれど、そんなケの重要さが瞬ちゃんにわかるはずもありません。
瞬ちゃんは、ロシアのお友達の病気が心配で涙ぐんでさえいるのです。

「ね、氷河、一度、お医者様に診てもらおう? このままじゃ、氷河がけむくじゃらのおばけになっちゃうよ……!」
「いや、これは……」
「氷河……もう、病院に行くしかないよ!」
「そういうわけには……」
「氷河……!」

ロシアのお友達の身を気遣う瞬ちゃんの瞳からは涙が溢れ出て、ぽろぽろきらめきながら零れ落ち始めました。
ロシアのお友達は大慌てです。
瞬ちゃんを泣かせるなんてことは、ロシアのお友達にとっては悪魔の所業、何があっても決して決してしてはいけないことでした。

「マ…マーマが、いい薬を持っていると言っていたから、大丈夫だ」
「ほんと……?」
涙に濡れた瞳で瞬ちゃんに見詰められたロシアのお友達は、不謹慎にもどきどき胸を高鳴らせながら、こっくり力強く頷きました。

「ならいいけど……」
マーマのことをとても信頼している瞬ちゃんは、その言葉に少し安心したらしく、涙を拭ってロシアのお友達に微笑みかけてくれました。


ほっと安堵の息をついたロシアのお友達。
けれど、果たしてマーマには、ロシアのお友達のそのケを守るための妙案があるのでしょうか――?






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