「重くない? 半分持つよ」
「大丈夫だ」

ロシアのお友達は幼いながらも、ちゃんとした紳士です。
可愛い瞬ちゃんに大きな荷物を持たせるようなことは、決してしません。
けれど、瞬ちゃんが選んだ遠足用のおやつは、どういうわけか、スーパーのレジ袋4つ分もあったのです。

「あのお店のお姉さんたちがいい人でよかったね。たくさんおまけしてくれたし、僕たちが仲がいいのは素晴らしい事だって誉めてくれたねv」
「うん」

実は、瞬ちゃんがあまりに気合いを入れて選びすぎたため、ロシアのお友達と瞬ちゃんの遠足用おやつは、予算の500円をはるかにオーバーしてしまっていました。
けれど、ロシアのお友達と瞬ちゃんの恋を応援しているレジ係のフレアさんがかなりの値引きをしてくれたので、2人は予算オーバーの危機を逃れたのでした。

その上、ヒルダさんから購入分以上のプレゼントが渡されたので、ロシアのお友達と瞬ちゃんは、遠足が終わった後もしばらく困らないくらいたくさんのお菓子を手に入れることができたのです。


「明日、お天気がいいといいね」
「うん」


たくさんのおやつを抱えて、仲良く家路を辿る2人。
夕焼け色に染まった赤とんぼも、2人の恋を応援しているかのようでした。






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