そうして、2人が向かった次の部屋は、秘宝室。

ここは、このお城のいちばんの呼び物でした。
氷の国の氷河お手製の──レプリカなんて、誰も作れませんからね──小人さんたちのおもちゃが展示されているのです。

秘宝室コーナーには、お人形におはじき、ボールに鯉のぼり、ハンカチやハサミといった雑貨品までありました。
その小さいこと可愛いこと、瞬ちゃんは歓声をあげっぱなしです。

けれど、それより何より素晴らしいのは、畳一畳分ほどのガラスケースに並べられた、小人さんたちのぱんつでした。

その数、60枚!
みんな本物です。
世界一の小人さん・ぱんつコレクションでした。

綺麗に並べられた、細かい刺繍入りのぱんつは、まるで宝石のようです。

「すごい〜、綺麗〜、うわぁ〜 !! 」
「…………」
瞬ちゃんが感極まった声をあげるその横で、ロシアのお友達は変な顔。

確かにそれは、とても綺麗なコレクションでした。
けれど、ロシアのお友達は、そんなぱんつ60枚より、瞬ちゃんのぱんつ1枚の方がずっとずっと、以下自粛。


いずれにしても、ここには小人さんの彫刻はなさそうでした。
ここで、ロシアのお友達が転んだりしたら、世界一のコレクションがどんなことになるかわかりません。
だから、ここには彫刻はないに決まっていました。






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