パルミラ。 1700年も昔、熱い砂漠に栄えた、美貌の女帝ゼノビアの国。 パルミラは、かつてシルクロードの要地として栄え、そして、ローマ帝国に滅ぼされた隊商都市である。 ローマが世界を支配していたその時代に、夫・オデナイト2世を暗殺された女帝ゼノビアは敢然と大帝国ローマに立ち向かい、ローマ支配下にあったエジプトをローマから解放した。 エジプトに続き、パレスチナ、シリア、アラビアを制圧したゼノビアは、一時は、世界史上女王が治めた領土としては最大と言われるほどの大帝国を築きあげたのである。 往時は、ナツメヤシの木々が豊かに茂る緑のオアシスであった。 今は、シリア砂漠の最も美しい廃墟と言われている。 |