瞬王子のお城で何とか衣服を調達した氷河王子は、ショックで倒れてしまった瞬王子を懸命に介抱しました。

そして、意識を取り戻した瞬王子に事の次第を説明しました。
もちろん、今までずっとカエルの正体を秘密にしておいたのは、それが魔法を解くための条件だったからで、意地悪でも見栄を張るためでもなかったのだと、適当に粉飾して。


瞬王子は、すぐに氷河王子の秘密を許してくれました。
瞬王子にしてみれば、氷河ガエルと氷河王子のどちらかを選ばずに済むのだったら、それ以上の幸せはありませんでしたから。




そして、それから、瞬王子と氷河王子は、夜は情熱的に、昼間はお互いに優しくいたわりあって、いつまでも幸せに過ごしたということです。


やがて氷河王子は成人の日を迎えて、ウートポス国の王様になりました。
氷河国王には彼の王位を継ぐ者はいませんでしたが、でも、そんなものは最初から必要なかったのです。

真実の愛を手に入れたふたりの命は永遠でしたから。





昔々。
とあるメルヘンの国でのお話です。






Fin.







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