「邪魔をするなーっっ !!!! 」


平和な正月なればこその、氷河の怒号。


この展開を見越していたらしい星矢と紫龍が、待ってましたとばかりに、その場に駆けつけてくる。

「おー、やってるやってる!」
「正月早々、めでたいな」
「ありゃりゃ、栗きんとんが凍りついてら」
「解凍すれば食えるだろう」
「どーやって解凍するんだよ。レンジごときじゃ解けないだろ」
「瞬に頼めばいい」
「やっぱ、マンネリ気味の正月特番より、こっちの方が面白いよなー」

星矢と紫龍は、予想通りの楽しい見世物を予定通りに見物できて、満悦至極の体ていである。


二人がかりとあって、さすがに氷河は劣勢を強いられていたが、瞬とのラブシーンを中断させられた氷河の怒りも相当のものらしく、決着はなかなかつきそうになかった。

カミュも一輝も、無論氷河も、まるで手加減をしていない。
それは、もし一対一の勝負だったなら千日戦争にも突入しそうな闘いで、不肖の弟子の成長ぶりに、カミュも内心感動しているに違いなかった。


「平和なお正月って、ほんと嬉しいね」

強大な三つの小宇宙がぶつかり合うラウンジで、瞬は、放り投げられた栗きんとんのパックと祝い箸を拾いあげ、心から幸せそうに微笑した。




この世はなんて素晴らしい

世界は、なんて素晴らしいのだろう──






Fin.  &  今年もよろしくお願いします







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