8月3日
紫龍
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「今日は蜂蜜の日なんだそうだ」
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瞬
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「熊ってほんとに蜂蜜食べるのかな? 僕、確かめたいな」
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氷河のしたこと
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必死に蜜蜂の巣を探し出し、瞬を動物園に連れていって、係員の目を盗み、熊に蜜蜂の巣を投げてみた。
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8月4日
紫龍
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「今日は橋の日だそうだぞ」
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瞬
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「今は本州と四国と九州とが橋で繋がってるんだよね。ほんとかなぁ」
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氷河のしたこと
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明石海峡大橋と関門橋のウォーキングに瞬を連れていった。そのための準備。おやつと飲み物の購入。
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8月5日
紫龍
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「今日はタクシーの日なんだそうだ」
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瞬
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「タクシーって普段乗ったことないね。乗ってみたいなっ」
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氷河のしたこと
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タクシー会社からタクシーを一台借りてきて、タクシーの運転手さんごっこ。通常料金で45万円分走行。
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8月6日
紫龍
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「今日は国立公園クリーンデーだそうだ」
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瞬
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「国立公園って、日本に28ヶ所しかないんだよね。どっか行ってみたいなぁ」
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氷河のしたこと
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十和田八幡平国立公園に瞬を連れていき、奥入瀬渓流を歩きながらゴミ拾い。
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8月7日
紫龍
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「なんと、今日はバナナの日だそうだぞ」
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瞬
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「僕、バナナパフェ大好き。チョコレートの次くらいに。あと、パンプキンパフェとマロンパフェ。一緒になったパフェがあったらいいのに」
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氷河のしたこと
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チョコ・バナナ・パンプキン・マロンパフェなるメニューを求めて、関東一円のあらゆるカフェ・パーラーを捜しまわったが見付からず、結局見付けることができたのは名古屋の某店だった。
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8月8日
紫龍
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「今日は笑いの日だそーで。漢字の『八』とカタカナの『ハ』が似てるからなんだそーだ。はは」
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瞬
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「はは。はは。ははは」
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氷河のしたこと
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もちろん、瞬のために大爆笑した。瞬のためでなかったら、二度と大声をあげて笑ったりするものかと決意。
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8月9日
紫龍
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「今日はそのままだな。野球の日だ」
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瞬
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「野球…? 僕、やってみたいなぁ」
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氷河のしたこと
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ギリシャから黄金聖闘士を連れてきて、黄金VS青銅の野球の試合を開催。雑兵より少しマシなだけの5人を抱えている青銅チームはかなりの苦戦を強いられたが、氷河の卑怯な画策で辛くも勝利。勝利投手は当然、瞬。
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8月10日
紫龍
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「今日は帽子の日だそうだ。ハットの語呂合わせらしい」
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瞬
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「僕、帽子、かぶったことないな。帽子買いに行こうか、カッコいい帽子」
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氷河のしたこと
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シルクハットを買いたがる瞬を説得するのに一苦労。
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8月11日
紫龍
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「今日はガンバレの日なんだそうだ。ベルリンオリンピックの中継で、某アナウンサーが『がんばれ』を連呼した日らしい」
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瞬
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「頑張れることがあるのって、幸せなことだよね」
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氷河のしたこと
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氷河は喜んで頑張った。幸せだった。
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8月12日
紫龍
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「今日は太平洋横断の日だ。日本人が初めてヨットで太平洋単独横断に成功した日らしい」
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瞬
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「僕、ヨットって乗ったことないな。乗ってみたいな」
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氷河のしたこと
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クルーザーヨットを手配して、東京湾横断。瞬はそれだけでも満足そうだった。
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8月13日
紫龍
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「今日は函館夜景の日だそうだぞ。8Kの語呂合わせらしい。トランプのKは13だからな」
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瞬
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「函館って、行ったことないよ、僕。五稜郭とかがある町だよね」
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氷河のしたこと
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瞬を連れて函館に行き、五稜郭見物を済ませた後で、瞬が気に入ったトラピストのバター飴を大量に購入。
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8月14日
紫龍
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「今日は特許の日だぞ」
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瞬
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「僕ね、僕、本物の東京特許許可局を見てみたい!」
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氷河のしたこと
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東京特許許可局なる施設・機関は、この世に存在しない。しかし、瞬の望みを叶えないわけにはいかない氷河は、特許庁の門のプレートを『東京特許許可局』にすりかえて、瞬に東京特許許可局案内をした。
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8月15日
紫龍
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「終戦記念日にして、敗戦記念日、戦没者を追悼し平和を祈念する日、朝鮮民主主義人民共和国には解放記念日、イギリスではビクトリー・オーバー・ジャパン・デー、インドでは独立記念日、韓国では光復節。日本以外の世界中が喜んでいる日だ」
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瞬
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「日本人は、もっと戦争のこと考えなきゃいけないよねぇ」
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氷河のしたこと
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特に何もしなかった。今日が一輝の誕生日だということを瞬が思い出さないように、これ努めたのみ。
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8月16日
紫龍
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「ああ、今日は、京都の五山送り火のある日だな」
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瞬
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「僕、あれ、テレビや写真でしか見たことないの。本物が見てみたいなぁ」
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氷河のしたこと
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旅館もホテルも満員御礼。瞬のためにゆったりできるキャンピングカーを用意して、京都までブッ飛ばし、送り火の良く見える場所を捜して、京都の街を東奔西走。
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8月17日
紫龍
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「パイナップルの日の日だ。しかし、苦しい語呂合わせだな」
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瞬
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「日本でもパイナップルって作れるの?」
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氷河のしたこと
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パイナップルは、日本では沖縄でしか栽培されていないため、八重島のパイナップル畑まで瞬を連れて行った。パイナップルが土に埋まっていることを知って驚く瞬に驚いた事実を、胸の奥深くに封印。
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8月18日
紫龍
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「高校野球記念日だ」
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瞬
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「甲子園で全国制覇するためには、高校に行ってなきゃならないんだよねぇ……」
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氷河のしたこと
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高校に入っても甲子園に出られるわけではないことを瞬に諭し、全国制覇の夢を諦めさせた。
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8月19日
紫龍
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「今日も語呂合わせだ。俳句の日だぞ」
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瞬
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「僕、俳句なんて詠んだことない。氷河、俳句詠める?」
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氷河のしたこと
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とりあえず一句。「季語のない 俳句はただの一行詩」季語という言葉は入っているのに、季語がないため、駄作である。
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8月20日
紫龍
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「今日はNHK創立記念日だ。NHKは大正15年に設立されたらしいぞ」
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瞬
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「僕、小さい頃、体操のお兄さんと一緒に体操してみたかったなぁ」
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氷河のしたこと
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現在の体操のお兄さんを(無理矢理)城戸邸に連れてきて、瞬と一緒に体操をさせた。
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8月21日
紫龍
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「今日は献血の日らしい。俺は貧血気味だから、献血はできないが」
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瞬
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「僕も、血液のヘモグロビン量が少なくって献血できないんだ。献血で誰かの命が助かるなら、いくらだって協力したいのに」
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氷河のしたこと
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瞬の分もと考えて、血小板400ミリリットル、血漿400ミリリットル、計0.8リットルの献血。もちろん、献血量の制限に引っかかるので、献血所をハシゴした。
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8月22日
紫龍
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「今日はチンチン電車の日だそうだ。実物は見たことがないな、そういえば」
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瞬
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「僕も本物見たことない。可愛い電車なのかな。乗ってみたいな」
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氷河のしたこと
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富山・高岡・福井にチンチン電車が走っていることを調べ、北陸旅行を手配。
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8月23日
紫龍
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「今日は痛ましい日だぞ。白虎隊の日だそうだ」
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瞬
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「僕たちと変わらないくらいの子たちが死んでいったんでしょ。悲しいよね」
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氷河のしたこと
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会津若松は鶴ケ城の天守閣博物館に瞬を連れていき、生き延びた隊員もいたことを調べ、瞬の心を慰めた。
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8月24日
紫龍
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「今日は大噴火の日だ。西暦79年の今日、ヴェスビオ火山が噴火して、ポンペイの町が滅亡したらしい」
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瞬
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「火山の噴火って大変だよねぇ。困ってる人とかいたら助けてあげなくちゃ」
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氷河のしたこと
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折りから大噴火が危ぶまれ避難生活を余儀なくされていた三○島の避難キャンプに行き、瞬と共にボランティア活動にこれ務めた。
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8月25日
紫龍
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「今日はラーメンの日だそうだ」
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瞬
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「この近所にすっごく長ぁ〜い行列のできるラーメン屋さんがあるんだって」
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氷河のしたこと
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長〜い行列に5時間並んだ。あと二人で入れるところまで来て、瞬を呼んだのだが、あまりにこってり系のラーメンだったため、瞬はそのラーメンを半分しか食べられなかった。
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8月26日
紫龍
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「今日は歴史的な日だぞ。フランス人権宣言の日だ」
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瞬
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「『人間は自由で、権利において平等なものとして出生し存在する』だね」
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氷河のしたこと
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瞬の言葉に頷き、瞬になぜか悲しそうな目を向けられた。
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8月27日
紫龍
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「今日は、『男はつらいよ』の日だそうだ」
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瞬
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「辛いことなんて、全然ないよねえ?」
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氷河のしたこと
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瞬の言葉に力強く頷いた。
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8月28日
紫龍
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「今日は民放テレビスタートの日だ。昭和28年の今日、民放テレビ放映が始まったんだそうだ」
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瞬
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「ふぅん。じゃあ、今日は一日テレビ見てようか」
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氷河のしたこと
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瞬に一日付き合った。テレビを見続けて目が痛くなったと訴える瞬を眼科に連れていく。
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8月29日
紫龍
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「今日はベルばらの日なんだそうだ。昭和49年に宝塚で初演があったらしい」
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瞬
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「宝塚? 僕、一度も見たことない。一度でいいから、見てみたいな」
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氷河のしたこと
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既に当日券でしか入場できない状況だったため、15歳から60歳までの女性のみが並んでいる当日券発売窓口に並び、なんとかチケットを手に入れて、東京は銀座、"TAKARAZUKA 1000days 劇場"にて、『黄金のファラオ』なる出し物を観る。氷河はそのキンキラキンの意味と意義がまるで理解できなかったが、「綺麗だね」と言う瞬には相槌を打った。
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8月30日
紫龍
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「今日は富士山測候所記念日だ。そろそろ8月も終わるなあ」
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瞬
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「……うん。終わっちゃうね。氷河、僕、富士山に登りたいな。それで、測候所を見学するの……」
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氷河のしたこと
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もちろん、瞬の望むとおりにした。素晴らしく美しい雲海を眼下にして喜ぶ瞬の様子が少しおかしいことに気付く。
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8月31日
紫龍
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「ついに8月も終わりか。今日も語呂合わせだな。野菜の日だ」
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瞬
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「お野菜作る農家の人って偉いよね。僕もおっきな野菜畑でジャガイモとかニンジンとか育ててみたいなー」
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氷河のしたこと
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今日も当然、彼は彼のすべきことをしようとした。
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