氷河は飛び起きると辺りを見渡した。誰もいない。
―夢か・・…―
それにしてもなんという悪夢を見てしまったのか、瞬の夢ならいいものの、よりによって一輝に喰われる夢なんて、

―注:白鳥は食べてはいけません。―

氷河は起き上がろうとして自分の体の異変に気がついた。全身の至るところに包帯が巻かれている。
―なにがあった、オレ!!―

自分で見ていても痛々しい。
氷河は己の身に何が起きたのか、めったに使わない脳をフルに回転させて思い出そうとした。

―確か、地震で地底に落っこちた。それから、―
ここまで思い出した氷河は彼にとって最優先事項が見当たらないことに気付いた。それは、
―瞬は!?―
と、いうことだった。一度思うと気になってしょうがない。氷河は瞬を捜索すべくベッドから降り立ち、部屋を後にした。






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