視界の中心に彼の姿が飛び込んできたときに、手遅れだと思ったのだ。
爆風が渦を巻くその中心に彼とおそらく現在彼と敵対する見知らぬ戦士の姿があった。
光源。
目も眩むほどの光が視界を埋めて爆発する。
そのうちの光の一条が彼に向かい。
もう間に合わない、と瞳を閉ざそうとした僕はその意に反していつのまにか飛び出していた。
彼に向かう目映い刃の軌跡のその先に。
彼と彼に向かうはずだった終焉の手先。その間に。
僕は何も考えず。
飛び出していた、のだった。
「…瞬?」
呆然としたような氷河の声。
視界を、
圧倒する光と。
半身を砕かれたかのような衝撃だけがあった。
一瞬で起こったことすべてを把握することはできなかった。
が。
───ああ、嘘をついていたんだね。
僕は思った。
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