瞬を日本に連れて帰ることを、俺は決意した。

連れ戻されたその世界で、瞬が誰かに傷付けられることがあったなら、俺が慰めてやればいい。
瞬が誰かに裏切られることがあったなら、俺は、『なぜ彼がそうせざるを得なかったのかを考えてみろ』と言ってやればいいんだ。
きっと瞬はわかってくれる。


そうして、瞬が、瞬の父親が望んだ通りの人間になった時、瞬は俺に恋してくれるだろうか――?

そんなことを考えながら、翌日、俺は、瞬と共に白い砂浜の島を出た。

瞬にとっては未知の世界へと続く、広い海。
その海と区別がつかないほどに青い空には一片の雲もなく、そして、それは、瞬の瞳のように澄んでいた。






Fin.






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