外の世界で、氷河は、瞬に会うことがある。

(俺のものじゃない瞬だ)

その髪に触れるだけなら許してもらえるかと期待して、その手を伸ばす。
敏感にその気配を感じとって、瞬は、まるで飛びすさるように身を翻した。

だから、氷河は項垂れ、彼の瞬の許に戻るのである。
言葉を発することもなく、氷河に微笑みかけてくれることもなく、その瞼を開けようともしない、氷河だけの瞬の許に。






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