瞬の命は、秋が終わっても、冬が来ても終わらなかった。

ベッドから起きあがれるようにはならなかったけど、瞬の側にはいつも氷河がいて、だから瞬はいつも明るくて綺麗だった。
失われるものの強さと美しさは、もしかしたら氷河には酷なものだったのかもしれない。
でも、それを選んだのは氷河自身なんだから、俺には何も言えなかった。

時間が、すごく優しい感触で、瞬や氷河や俺たちの上を過ぎていく。


この先百年を氷河と生きていくと決めた瞬が、翌年の春まで、どんなに幸せそうに、どんなに希望に満ちて、自分の未来を語っていたか、俺は永遠に忘れない。






Fin.






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