さて、オロシヤ国には、実はもう一人王子様がいました。 こちらの王子様のお名前は、瞬王子。 瞬王子は、王子様と言っても、現国王ではなく前国王のご子息です。 オロシヤ国の現国王は、前国王の弟君。 最初に、瞬王子のお父君が国王に即位し、その国王様がご病気でお亡くなりになったので、弟君だった氷河王子様のお父君が、兄君の後を継いで国王に即位しました。 国王でなかった弟君(つまり、氷河王子のお父君である現国王)の方が、当時はご身分が軽かった分、ご結婚も気楽にできて、国王である兄君より先にご結婚し、お子様も先に誕生したのです。 どこかの島国の皇室と同じです。 その後、国王である瞬王子のお父君もご結婚し、氷河王子に数年遅れて、瞬王子が誕生しました。 けれど、もともとあまり壮健でなかった瞬王子のお父君は、瞬王子が生まれて数年で病没し、その頃オロシヤ国で成人している王子様は氷河王子のお父君だけだったので、氷河王子のお父君が次の国王になりました。 まあ、そのあたりの経緯は、このお話にはあまり関係がないので、覚えなくても大丈夫。 テストにも出ませんから、安心してください。 要するに、氷河王子は現国王のご子息、瞬王子は前国王のご子息、氷河王子と瞬王子は従兄弟同士ということ。 それだけ覚えておけば大丈夫です。 |