「へーくしょい!」
「氷河?」
何の前触れもなく飛び出てきた氷河のくしゃみに、瞬が首をかしげる。

瞬は、今回のことが黄金聖闘士たちの悪ふざけだったことを聞かされて、安堵したばかりだった。
氷河は、それを、黄金聖闘士たちの冗談だったとだけ説明し、黄金聖闘士たちの親心の内容や、自分が彼等に腑抜けの不甲斐ない男のと罵倒されたことには、当然のことながら言及しなかった。

愛の告白のさなかのマヌケなくしゃみを忌々しく思いつつ、気を取り直してもう一度、氷河が瞬の唇に唇を重ねる。

「もう時間がないのかもしれないから」
腑抜けで不甲斐ない青銅聖闘士がそう囁いて、瞬を抱きしめたのは、瞬の寝室だった。






Fin.




  【お詫び】
  本作タイトル『聖戦前夜〜冥界の陰謀〜』は『聖戦前夜〜聖域の陰謀〜』の誤りでした。
  不手際を、謹んでお詫びいたします。



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