かくしてヒョウガはめでたく自由の身となり、カミュから魔法使いの免許皆伝を受けました。
(その前に、『ごめんなさい、もうしません』を100回言わせられましたけれどね)

魔法使いの免許皆伝――それは、愛することを知っている証、愛をどういうふうに表せばいいのかを知っている証です。
もちろんシュンもアルビオレから魔法使いの証を与えられ、二人は立派な良い・・魔法使いになったのです。

なりたてほやほやの二人の魔法使いは最強のコンビでした。
ヒョウガが冷やしてシュンが温めると、冬が去って春がきたのだと思い込んだマツユキ草はすぐに可憐な花を咲かせます。
花だけでなく、たくさんの種類の野菜や果物を真冬に実らせることも、二人にはできました。
それらのものは、厳しい冬には食べ物に不自由することの多かった北の国の人たちに大層喜ばれ、また多くの人を飢えから救うことにもなりました。
二人は良い魔法使いとしてたくさんの人々を幸福にし、またそうすることで、自分たちも幸福になることができたのです。


昔々、まだ普通に魔法使いがいた頃の 遠い北の国でのお話。
人は人それぞれにいろんな経験をして、愛するということを学びます。






Fin.






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