星矢は時々、この2人は遊んでいるのではないかと思うことさえあったのである。 それほど、2人の闘い方は鮮やかだった。息が合っていたのだ。 外見と技の 冷と暖の対照。 前に出たがる氷河と、その際にできる隙を彼の背後からカバーする瞬。 チェーンの素早い先制攻撃と、力を溜める間を置いてから繰り出される氷河の拳の 微妙なずれが作り出す二段攻撃。 一方が劣勢になったとしても、それがもう一方の攻撃の好機になるような、そんな闘い方ができる2人だったのだ、氷河と瞬は。 示し合わせてそういう闘い方をしているのではないのだろうが、結果として2人の拳はコンビネーションプレイになる。 それが鮮やかに決まった時には、星矢は、スポーツのゲーム観戦中に応援していたチームがポイントをあげたような爽快感を覚えることさえあったのだ。 だが、その日。 これまで抜群のコンビネーションを誇っていた氷河と瞬は、ひどく無様な闘い方をしていた。 リズムが完全に乱れ、2人の攻撃は妙にちぐはぐだった。 何がどう変わったというのではない。 しいて言うなら、氷河の攻撃がこれまでより1秒早くなり、瞬のサポートがこれまでより1秒遅くなって、その僅かなずれが、2人の攻撃の効果を殺いでいる――ように、星矢には見えた。 それぞれに10の力を持っていた2人は、これまでは相乗効果でその力を100にまで高めることができていた。 それが攻撃のリズムの乱れのせいで、本来なら2人合わせて20の力を15にまで減じてしまっている――。 そんな闘い方だった。 かろうじて敵を撃退することはできたのだが、その闘いを終えた時、星矢はいつもの倍の疲労感を覚えていた。 それは紫龍も同様だったらしい。 城戸邸の庭に倒れている敵たちの姿を眺めながら、彼は奇妙に顔を歪めていた。 いつもより激しく息があがっている自分に焦れ、その原因を作った白鳥座の聖闘士とアンドロメダ座の聖闘士を見やって、龍座の聖闘士は眉をしかめた。 |