「アンドロメダが そんなことを? まあ、氷河も そうだが、ワカモノたちには、心を地上に縛りつける肉体があればこそ得られる喜びというものが、貴重に感じられるのかもしれないな」
「あんな清楚な顔をして、瞬も存外なのだ。その点、君の弟子は すがすがしいほど開き直っているというか、自分に正直というか。クールとは ほど遠いキャラクターなのに クールな男を装おうとすることさえやめれば、色々なことが単純化され 可視化されて、今のような ややこしい事態は生じないのだが」
「我々のおかげで、自分たちの関係が破綻することなく良好に保たれていることに気付いていないのだ。氷河もアンドロメダも」
「我々がいなかったら、本心を語ることをしない この二人は疑心暗鬼に陥って、二人の関係は とうの昔に空中分解していたぞ」

草木が眠り、現世と常世の境界が曖昧になる丑三つ時。
全裸の自分たちが そんなことを 分別顔で語り合っていることを、氷河と瞬は知らないのだった。






Fin.






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