瞬たちと父のやりとりの意味を、僕は それから長い時間をかけて 少しずつ理解していった。 きっと こういうことだったんだと確信が持てるようになったのは、それから12年後。 父が 趣味の乗馬中に落馬して 下肢に障害が残り、自由な歩行が困難になった時。 僕は、今日、ルリタニア王国の第12代国王に即位する。 異母兄たちは、国際派の俳優として、ルリタニアの観光親善大使として、活躍中。 グラード財団との共同プロジェクトは、ルリタニアにハードとソフト両面で巨大な利益をもたらしてくれた。今も もたらし続けてくれている。 父や兄たちと頻繁に接するようになるにつれて(頻繁ではないが義母とも)徐々に、僕は人の考えを読む力を失い、14歳になった頃には完全に その力を失った。 あれから、12年。 ナターシャちゃんは どんな女性に成長しただろう。 僕は、氷河と瞬に また会いたいと考えている。 Fin.
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