で、それからしばらくは、遺跡から発掘された文献や映像資料通りに場面が進行していったわ。

「氷河は必ず助けてみせるよ。僕の命に代えても……」
――なーんて、健気なセリフも文献通り。


歴史的名場面をこの目で見ている感動なんかクソくらえで、私の目は瞬ちゃんと氷河に釘付けよ。
なんだかごちゃごちゃ御託を並べた後、紫龍と星矢が天秤宮を立ち去ると、いよいよ、そこは二人きりの世界!
私の心臓はばくばくだったわ!


「僕は、敵と闘うより、残された全小宇宙を燃やして、友の命を救いたいんだ。
氷河が蘇るのが先か、僕の命が燃え尽きるのが先か――僕の全小宇宙よ、冷えきった氷河を温めてくれ……」

──だなんて、ほんとに、瞬ちゃんたら、なんて可愛くて健気なのっ!


さあ、そして、いよいよ!
いよいよ、問題のあのシーン。

瞬ちゃんが、氷河を温め始める直前の、問題のあんよシーン。
確か、その前に、ちゅうもどきシーンがあるのよね。
あれだって、資料が残っていないだけで、絶対にちゅうしてる! って、私は信じているのよ。
そして、その後、やおい界最大の謎、問題の脚を絡めるシーンが展開されるんだわーっっ !!

──なーんてことを考えながら、私は、天秤宮のふたりを食い入るように見詰めていたの。






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