でも。

でもでもでもでもでもっ! 
ここで、

さすがは瞬ちゃん!

──なんて、喜んでなんかいられるわけないでしょっ、この私がっ!


私のイメージでは!

命を懸けて、自分の小宇宙で氷河を温め続けた瞬ちゃんは、やがて力尽きて、氷河の傍らに崩れ落ち!

目覚めた氷河が、倒れ伏した瞬ちゃんを見付けて事情を察する!

瞬ちゃんの犠牲的精神に心打たれた氷河は、意識のない瞬ちゃんを抱き寄せ、堅く堅く抱きしめて!

言うべき言葉も見付けられずに、瞬ちゃんの瞼の上に涙の雫を散らすのよっ!

そして、瞬ちゃんにまだ息があることを確かめると、小さく安堵の息を洩らして、氷河はゆっくりと瞬ちゃんに口付けていく──はずだったのにーっっ!

肝心の瞬ちゃんが、ぴんぴんしてたら、話にならないじゃないのーっっ !!


「おっ、さんきゅー、瞬。面倒かけたな」
──で終わったら、愛と感動の天蠍宮シーンに続かないでしょっ!






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