グルプルニマをネパールでまた迎えることが出来たヨロコビ。(7月5日)

2001年7月5日。この日は「グルプルニマ」という日でした。グルプルニマと言えば、去年(2000年当時)のことを思い出します。去年タカギ君は「今日がグルプルニマということ」を知らずに(気づかずに)太鼓のヌチェ先生のところに朝練にいったのでした。でも、その日はいつもと様子が違ったのです。ヌチェの生徒が次々現れては、先生にお供え物をしたりプジャをしていくのです。タカギ君は何も知らなかったので何も持っていなくて恥ずかしかったです。そして心に決めたのです。「次はバシッと決めたる……」

ということで、今年は気合い入れましたよ!前日からちゃんと果物も買ったし、お香も用意した。朝早起きして行ってきました、ヌチェの家。

ワシがヌチェじゃ。太鼓の名手だぞ。

タカギ君が用意した果物はバナナとマンゴー。今は貧乏だからたくさんはあげられなので、モンキーバナナ6本の房とマンゴー1個(し、しけてる、、、気合い入れたわりには)を持っていきました。それから必需品はドゥープ(お香)。この場合のドゥープはなんでもいいというわけではなく、前回の失敗をふまえるならば、プジャのときに使うお香でなくてはいけないのです。前回というのは、初めてヌチェのところでお稽古を始めた日のこと。芸事の神様に「これから先生について一生懸命がんばりますので、どうぞお守りくださいまし」というような意味合いを込めて、プジャ(神の加護を乞うための儀式)をするのですが、その時にタカギ君はファッション・インセンス(いわゆる香りを楽しむためのお線香。儀式用ではない)を持って行って、「それではいかんのじゃ」といわれたことがあるのです。 
   
           これでなくてはいかんのじゃ

このほかに、グルへのプラサード(御供物)には花やお菓子なんかもあげたりします。タカギ君が苦手なインドの甘いお菓子。すすめられれば食べるが、出来れば遠慮したい。花は、季節がら紫陽花なんかがありましたね。

はじめに持ってきたドゥープを1本焚いて芸事の神様に敬意を払います。

その後プジャに移ります。まず、グルに生徒がティカをあげます。ティカとは、赤い粉に水を混ぜたモノで、これにお米なんかを混ぜたりもします。ティカをあげたあとは、グルの頭にプラサードの花の花びらとお米をぱらぱらとふりかけます。そのあとは同じようにグルがタカギ君にティカをくれます。そして花とお米を頭にまきます。この時、グルはぶつぶつと呪文のように「いっぱい練習して、良い芸人になりなさい。すべてがうまくいきますようにどうぞお守りください。」と言っていました。

おまえもワシのような立派なカラカール(芸人)になるのじゃぞ。


これがすむと、持ってきたプラサードをグルに渡して終わりです。この儀式の流れはタカギ君バージョンであって、後から来た人は先にプラサードをあげていました。


ヌチェは今年で52歳だとか。たくさんの生徒に囲まれて実に楽しそうだ。その隣りでニコニコ笑っているのはヌチェのお父さん83歳。そんな歳には見えないくらいかくしゃくとしていた。ヌチェにとってはこのパパが先生であり、グルのグルなのでした。ヌチェもヌチェパパも、そろって 元気に来年のグルプルニマを迎えられますように。

    
  みんなワシについてくるのじゃ。鍛えてやるぞい