「でも、やっぱしネスカフェなのだなあ……(TヘT)」
1999年11月1日






解説:ネパールの喫茶店およびレストランで、普通にコーヒーをたのむと100%、「ネスカフェ」が出てくる。「ネスカフェ」とは、かの有名なコーヒーメーカーのブランド名だが、ネパールではインスタントコーヒーなら何でも「ネスカフェ」と呼ぶ。一口飲んだだけで「ウゲ、インスタントだよ〜」という味がする。タカギ君はコーヒー党だから、こういう仕打ちにはめちゃ弱いのだ。インスタントコーヒーを金払って飲むなんて、飲むなんて、飲むなんて……。
 もともとネパールにはコーヒーを飲用する習慣が無いようだから、やんぬるかな、これでも我慢しなくちゃならないのだけど、時には無駄な抵抗を試みる。ボーイに注文する前に「ネスカフェ ホイナ、フレッシュ フィルターコーヒー チャ キ チャイナ?(ネスカフェじゃなくって、本物(ドリップ式の)のコーヒーはあるの?ないの?)」と聞くようにしているのだ。(無いことがほとんどだけど……)。

 最近では「リアルコーヒー(またはフレッシュコーヒーともいう)」を出している店をいくつかおさえ、どうしてもコーヒーを飲みたいときには、そこに繰り出すことにしている。ネスカフェの相場は一杯20Rs。対してリアルコーヒーは40Rsもする。倍の値段だ。ごく最近はコーヒー豆を購入して、自宅でドリップして飲んでいる。500gで400Rs。10杯で元がとれる。もちろん文字通りそれ以上絞り出せるわけだから、かなりお徳だ。

 さて、タカギ君は、去る10月27日から29日にかけて、カトマンズ近郊のリゾート地として名高い「ナガルコット」に行ってきた。日本でいうところの「軽井沢」「清里」みたいなところで、とにかく物価が高い。噂には聞いていたけど、これほどとは……。メニューを広げてみても100Rs.以下のものがほとんどないんだもの。

 ナガルコットいち新しくて立派なホテルといわれている「クラブ・ヒマラヤ ナガルコットリゾート」でお茶したときのことだ。メニューを広げてびっくり。コーヒー一杯45Rs!しかもこれに10%のタックスがつくからトータル50Rs。高い……。家の近所のレストランでならトゥクパ(チベット風汁そば)が食えるぞ。いやいや、ここはリゾート地。しかたない、ぐっと我慢してコーヒーをたのむことに。しかし、この時タカギ君は油断していた。「ネスカフェ ホイナ、フレッシュ フィルターコーヒー チャ キ チャイナ?」を忘れてしまったのだ!……待てよ、待てよ、ここは超一流ホテル「クラブ・ヒマラヤ」じゃないか。宿泊客のほとんどは欧米人。舌の肥えた輩ばかりだ。ここでいくらなんでもネスカフェはないだろう。たぶん、きっと……。ぬぐい去れない不安を抱え、待つことしばし……。

 ほどなくして、慇懃なボーイによってコーヒーポットが運ばれてきた。ポットのコーヒーをカップに注ぐ。そして一口……「……ウゲ (TヘT)」。やっぱり「ネスカフェ」だった。……という場面に立たされたときの一言。
 後で気づいたんだけど、リアルコーヒーもメニューに載ってた。でも一杯75Rs.もした。税込みで80Rs.越えるよ!正気の沙汰とはおもえん。日本の物価の感覚からいえば、コーヒー一杯に1,200円ぐらい払った気分よ。こんな贅沢は体に悪い。罰が当たる。